Smiley face
写真・図版
高齢者に大豆入りのレトルトカレーを販売する高校生=2024年9月16日午前10時1分、島根県邑南町矢上、高田純一撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 島根県邑南町の県立矢上高校の生徒たちが、高齢者が食べやすいように大豆だけを具材にしたレトルトカレーを開発した。その名は「体にやさしいまごのまごころ豆カレー」。カルシウムやたんぱく質も豊富で、健康も考えた〝孫たち〟の思いが詰まっている。

 開発したのは、地域の食材で商品開発に取り組む矢上高のサークル「食と農研究会」のメンバー18人。浜田市の介護施設で食事を提供する「斎藤アルケン工業」が昨年4月、マンネリになりがちな介護食は食欲をそそらないことが多いとして、メニューの改善を依頼したのがきっかけだ。

 高齢者はなじみのあるカレーやハンバーガー、牛丼をたまに食べたくなるといい、メンバーはスパイスの効いたカレーづくりに取りかかった。魚の粉末で栄養もとってもらうため、浜田港で水揚げされるマトウダイを使うことにした。

 当初はチキンをベースにレッドペッパーで辛みを効かせたが、試食した高齢者にとって辛みが強すぎた。そこで辛みはパプリカパウダーに変更。具材が多いと風味がなくなるため、食感が良い大豆だけにすると好評だった。3年生永倉琉晟(りゅうせい)さん(17)は「豆の軟らかさにこだわり、食欲もそそる味に仕上がった」と話す。

 カレーは2千食限定。16日の敬老の日にちなみ、邑南町内のスーパーで販売を始めた。試食した町内の小笠原代釐子(よりこ)さん(77)は「夏野菜ではなく大豆がゴロゴロで斬新。刺激もあっておいしかった」と話した。1食180グラム入り、864円(税込み)。町内や浜田市のスーパー、介護施設「ほほえみライフ」のサイトで販売中。(高田純一)

共有