地方の小さな船舶修繕会社が、洋上にいる船の航行データを陸上からリアルタイムで確認できるシステムを作った。
すべてのモノがインターネットにつながる「IoT時代」を体現する技術で、船の異常をいち早く発見できると期待されている。
「船の医者として新しいツールが必要だった」
太平洋に面した高知県奈半利(なはり)町に本社を構える「カゴオ」。3代目社長の籠尾寿仁(かごおとしひと)さん(44)が開発の経緯を振り返った。
この業界に身を置いて約20年。船主から聞くのは船員不足の話ばかり。国土交通省によると国内で稼働する漁船の日本人船員は10年で約3割減った。
県内で遠洋マグロ船を運航する社長からは「熟練の機関士が見つからず2カ月出航が遅れることがある」との相談も受けた。
船の安全、遠隔でサポート
揺れや振動、海水の塩分によ…