次の学習指導要領改訂に向けた本格的な議論が、今年中にも中央教育審議会で始まる。過去の改訂や答申にも関わり、文部科学省「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会」の座長も務めた、天笠茂・千葉大名誉教授に考えを聞いた。
- 中教審会長が語る次期学習指導要領 「柔軟に工夫する余地広げて」
- 国語の「書く」や理科実験でも 次期学習指導要領「端末活用前提に」
- 混乱招いた「意欲」の評価 次期学習指導要領では「観点見直しを」
――長く学習指導要領の改訂などに関わってこられました。次の改訂で大切なことは。
いまの学習指導要領は、中身的にはいいものだと思っています。ただ、コロナ禍やGIGAスクール構想などがあって、学校現場では習熟しきれていません。
昭和、平成、令和を通して、学習指導要領を議論して伝える側と、受け取る学校現場との間に距離や溝があると感じます。指導要領のめざすことがなかなか現場に届かない、定着しない。次の改訂では、学校現場にどう伝えるか真剣に考えることが重要であり、また審議の場に現場の実践をどうフィードバックさせるかも課題です。
――学習指導要領や解説を読まない先生もいらっしゃるという声もあります。
これについては、学習指導要…