富山の名産「ます寿(ず)し」の食べ比べセットを販売するイベントが26日、富山市役所であった。市観光協会のX(旧ツイッター)で告知したところ、買い求める長い行列ができ、用意された240セットはわずか10分で完売。買えない人が多数出たため、企画した市や富山ます寿し協同組合は「予想以上の売れ行きだった。また開催します」と話していた。
富山市内には、ます寿しをつくる店舗が十数軒ある。「甘い」「酢がきいている」など、店舗によって味に特徴がある。一方で、富山市民でも食べ比べる機会が少なく、違いを知ってもらおうと初めて企画された。
イベントには組合加盟の12店舗が参加した。それぞれの店舗の商品をおにぎり大にし、4店分を1セット(千円)、3種類に分けて販売した。朝から列ができ、午前11時半の発売直前には市役所本庁舎の周りをぐるりと囲む100メートル以上の列に。列の後ろの方に並んだ人には「買えない可能性があります」と呼びかけていた。
2時間かけて売る予定が、用意された計240セットは、わずか10分で完売。先頭で3セット(3千円)を買った黒部市の40代の女性は午前9時から並んだという。「一度に12種類も食べられるのがうれしい。みんな、来ると思ったので、朝から並びました」と話していた。売り切れた時は、まだ長い列が残っており、最後のセットが無くなると、「え~」とため息が漏れた。
富山ます寿し協同組合の大郷(おおご)磨(おさむ)理事長は「想定外の売れ行きだ。関心の高さにびっくりしている。きょうは買えなかった人もいるので、また機会をつくります」と話した。(前多健吾)