兵庫県議会で不信任決議が可決された斎藤元彦知事が26日に記者会見を開き、30日付で自動失職し、出直し知事選に立候補する意向を表明した。これを受けて、久元喜造・神戸市長は27日、市役所で報道陣の取材に応じ、「違和感を禁じ得ない記者会見だった」と疑問を示した。
久元市長は、県政の混乱を招いたことや、斎藤氏らを内部告発した文書に関連する職員が死亡したことなどに対して「納得できるような説明はなかった。感謝と哀悼の意を表することしか言っていない。説明としては大変不十分」と話した。
斎藤氏は死亡した職員について「一生懸命に仕事していたので、感謝と心から哀悼の意を示したい」と話していた。
また、全会一致で不信任決議が可決されたことについて、斎藤氏が「職を辞すべき(ほどの)ことなのか、という思いが根底にあるのが正直なところ」と発言したことにも触れた。「県民の代表である県議会の不信任決議を受けての知事の発言としては、信じられない」と批判した。
さらに「日本社会だと、責任をとってまずは辞めるということになる。道義的責任を認めることは、辞職をするということになる」と発言した斎藤氏の考え方にも「理解はできにくい」とした。
久元市長は、次期知事選は「失職を受けての選挙で一般選挙とは違う。政策だけでなく知事の資質をもっているんだという説明が求められる」と語る。次の知事には「県の直面している課題を真正面から見据えて、それに対して明確なビジョンを持ち、具体的な政策を提示できる方になっていただきたい」と語った。(杉山あかり)