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米ニューヨークでの国連総会で9月27日、演説するイスラエルのネタニヤフ首相=ロイター

 米国が同盟国や友好国と共に短期停戦を提案したわずか2日後、イスラエルはレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者、ナスララ師殺害を実行に移した。バイデン大統領は28日、これを「正義の措置」とする声明を出したものの、米政権内には、事態沈静化への逆行を重ねて突き進むネタニヤフ政権に対して不信と不満が増している様子がうかがえる。

 バイデン氏は声明で、「ナスララ師の死は何千人もの米国人やイスラエル人、レバノン市民の犠牲者に対する正義の措置だ」とし、イスラエルの自衛権を「全面的に支持」するとした。だが同時に、「外交手段による緊張緩和」を目指すことも強調した。

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 今回のナスララ師殺害はイスラエルからの事前通知なしに実行されたとされ、火に油を注ぐかのようなネタニヤフ政権と、イスラエルの安全保障上の後ろ盾である米国の間の溝が深まる結果になった。全面戦争を避けたい米国は、緊張緩和の足がかりとして25日、イスラエル・レバノン国境での21日間の停戦を求めたところだった。

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