能登北部を襲った記録的な大雨は、1月の能登半島地震で被災し、再起をめざす農業に再び被害をもたらした。確認できただけで農地約950ヘクタールが冠水。秋の収穫目前だった田畑のあちこちに土砂が流れ込んでいる。
能登半島先端部の石川県珠洲市狼煙(のろし)町(まち)。豪雨の後、山際に広がる田んぼでは、黄金色の稲穂が倒れて折り重なっていた。
農家の二三味(にざみ)義春さん(77)は「橋に流木がたまって、川があふれた。田んぼの上も川みたいになり、ダメだとはわかっとったけど、水が引いたら、こんな風になっていた」とため息をつく。
山から押し寄せた土砂が田ん…