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朝日俳壇

うたをよむ 高田正子

 歌壇俳壇面のコラム「うたをよむ」。今回は「青麗」主宰の俳人・高田正子さんが、松山市で毎夏開催されている俳句甲子園についてつづります。

 8月末、俳句甲子園の審査員長(計13人)の一員として松山市へ行った。優勝は名古屋高校であったが、私が初めて参加した2年前も、名古屋高校の試合を見た。そのときは対戦相手だった東京の海城高校が勝ったが、2校の白熱するディベートは、アーケード会場の暑さを忘れさせてくれるものだった。若くもなく、さして頑健でもない私が、年々厳しくなる残暑をほいほいと松山へ向かうのは、このときの衝撃のおかげに違いない。

 さて松山へ集ってくる高校生たちも支える大人たちもあっぱれであるが、年々進化する大会運営のシステムとスタッフの働きにも目をみはる。スタッフの多くはOB・OGであるから、この大会は高校生と元高校生によって成り立っているともいえる。中には、さらに変化し続け、句集をまとめるなど、俳人として確かな足跡を残す人たちもいる。

 旅いつも雲に抜かれて大花野

 この句で大会の個人最優秀賞…

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