Smiley face
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賞状を手にする足立笑子さん=2024年9月12日、和歌山県橋本市市脇の伊都振興局、松永和彦撮影
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 小学5年になった2020年春のこと。臨時休校になるなど、新型コロナウイルスの影響が全国的に広がっていた。

 和歌山県高野町立高野山中学3年の足立笑子(えこ)さん(14)は当時、奈良県の小学校に通っていた。ある時、コロナ感染者が出たこともあって校内が消毒された。

 登校すると、頭痛がしてせきが出た。黒板の字を見ているのもつらくなった。入院もした。柔軟剤や芳香剤などに含まれる化学物質に触れることで健康被害が起きる化学物質過敏症と診断された。香りによる被害は「香害」とも呼ばれ、近年、注目されている。

 幼少からサッカーをするなど、体力には自信があった。4年生の時にはマラソン大会で1位になったこともある。なのに、友だちとも会えず、大好きな学校に行くことができなくなった。

 「本当に辛かったです」…

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