北海道根室市にある本土最東端のアサリ漁場「トーサムポロ沼」が、全国的に注目されている。国内各地でアサリが減る中、ここでは約20年で漁獲量を4倍近くまで増やすことに成功。その裏には、漁業者たちの地道な努力があった。
トーサムポロ沼は、根室半島の先端にある納沙布岬近くに位置する。オホーツク海に面し、海水が出入りする。ここでのアサリ漁は50年以上の歴史がある。
漁期は1~4月。歯舞漁協あさり部会のメンバーが、コンブ漁が休みの時期にアサリを捕っている。メンバー12人のうち10人が、コンブ漁との兼業だ。
今は豊富にアサリが育つトーサムポロ沼だが、これまで、何度も危機に直面してきた。
1994年の北海道東方沖地震では、アサリが育つ中州の干潟が9割以上、津波に押し流されて消失。漁業者たちは砂を運び入れて干潟を復活させた。
しかし、今度は海草のアマモ類が大繁殖。沼が一面、緑色になった。
あさり部会長の長山吉博さん…