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ノーベル文学賞をテーマにした記者サロンに出演した翻訳家で文芸評論家の鴻巣友季子さん(右)、朝日新聞社の柏崎歓・読書編集長(左手前)、文芸担当の野波健祐記者=9月27日、東京・築地

 ノーベル文学賞が今月10日に発表されます。翻訳家で文芸評論家の鴻巣友季子さんを招いた記者サロン「どう見るどう読むノーベル文学賞」で、歴代の受賞者を振り返り、傾向を読み解きました(9月27日収録)。受賞者はどんな作家なのか、日本人作家の受賞はあるのか。最後に鴻巣さんによる「推し」の作家も。記者サロンの前半部分を記事でも紹介します。聞き手は柏崎歓・読書編集長と、文芸担当の野波健祐記者が務めました。視聴の申し込みは募集ページ(https://t.asahi.com/wo5g別ウインドウで開きます)またはQRコードから。11月29日まで視聴できます。

 1901年に始まり、これまでに120人が受賞したノーベル文学賞。ヘミングウェーやカミュなど、名だたる作家が名を連ねている。選考から50年は候補者の情報が一切明かされない。

 鴻巣さんは「毎年、この時期は緊張しています」と話し始めた。発表の夜は、本紙の依頼で新聞社につめ、記者と結果を待つ。「発表のあった瞬間に、適切な解説コメントを出さないといけない。どこにボールが飛んでくるのかと思いながら過ごしています」

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 受賞者の傾向を見ていくにあたり、鴻巣さんがまず指摘したのは、スウェーデン・アカデミーがスキャンダルで発表を見送った2018年。関係者による性的暴行疑惑を機に、アカデミーは組織再編を迫られた。

 「スキャンダル前後で選考結果にも大きな変化がありました」と鴻巣さん。直前は、2015年にベラルーシのアレクシエービッチ、16年に米歌手ボブ・ディラン、17年に英作家カズオ・イシグロが選ばれた。「誰もがびっくりする結果でした。ずいぶん変わった選抜で、この3年に特色があったと感じています。スキャンダル以降、アカデミーのメンバーがだいぶ入れ替わり、選考の雰囲気も変わってきていると言われています」

 長く候補と目されているカナ…

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