最速日程で衆院の解散・総選挙を決めた石破茂首相(自民党総裁)は、裏金問題に関わった議員も原則公認する方針だ。時間的余裕がなく、安倍派を中心とした反発に押し込まれた。国会では、野党側が論戦を求めているが、解散へ一気に突き進む構えだ。
3日正午。自民党の森山裕幹事長と小泉進次郎選挙対策委員長が、首相官邸に首相を訪ねた。約30分間の会合の後、記者団の取材に応じた小泉氏は、「目の前の解散に向けた詰めを確認した」と語った。
「15日公示、27日投開票」の総選挙へ各党が準備を急ぐ中、焦点の一つは、昨年末から自民党を揺るがせてきた派閥裏金問題の処分議員を公認するか否かだ。その議論に火をつけたのは、首相自身でもある。
「自民党候補として公認するにふさわしいかどうか、議論は徹底的に行われるべきだ」。8月24日、総裁選の立候補会見で、首相は踏み込んだ。その5日前に先陣を切って名乗りを上げた小林鷹之元経済安全保障相が、安倍派を中心とする「裏金議員」から支持を受けており、問題に切り込む姿勢をアピールする狙いもあったようだ。
当然、「裏金議員」は激しく反発した。「厳しい処遇で問題を蒸し返さないでほしい」。首相や側近議員に直談判する議員も出た。
首相は、総裁選を戦う中でも…