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イスラエルの商都テルアビブで2024年10月7日、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスに捕らわれている人質の家族らが開いた集会に参加する人々=ロイター

 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘開始から1年が経った7日、イスラエルの商都テルアビブの公園で人質の家族らが集会を開いた。約3千人が参加し、犠牲者を追悼するのと同時に、政府に対して人質の早期奪還や、多くの犠牲者を出したことへの説明責任を果たすことなどを求めた。

 昨年10月7日のハマスによる越境攻撃では、イスラエル側で約1200人が殺害された。今も、約100人が人質としてとらわれている。

 現地メディアの中継では、犠牲者の写真がスクリーンに映し出され、ステージ上で歌手が歌ったり、遺族らが思いを述べたりした。

 息子が人質となっているというニッツァ・コルンゴルドさんは、「世界の指導者たちに、人質全員の即時解放を最優先に取り組むよう求める」と訴えた。昨年10月7日、ハマスとの戦闘でイスラエル軍兵士だった息子を亡くしたというラフィ・ベン・シトリットさんは、「息子や兵士たちは責任を背負い、自らの命を捧げた」と述べ、多数の犠牲者が出た経緯を調べる調査委員会の設置を政府に求めた。

 この日、政府主催の追悼式典も録画が放映された。イスラエルのネタニヤフ首相は、昨年10月7日について「国の歴史に、悲しみや喪失、想像を絶する苦悩の日として刻まれる」と犠牲者を悼む一方、「目標を達成しつつある」として、戦闘を続ける考えを明確にした。(エルサレム=加藤あず佐、イスタンブール=根本晃)

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