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2023年9月11日、スイスのジュネーブの国連欧州本部=ロイター

 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)が17日、8年ぶりに日本の審査を行います。委員会はどのような役割を担い、今回の審査で特に注目されるのはなんでしょうか。

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 Q 国連女性差別撤廃委員会とは?

 A 女性差別撤廃条約の履行状況を監視するため、1982年に委員の第1回選出が行われた。専門家23人で構成し、締約国が差別をなくすためにどういった法制度や施策を実施しているのかを順番に審査し、改善のための勧告をする。

 Q 女性差別撤廃条約とは?

 A 女性の人権に関する「世界の憲法」とも言われる。79年に国連で採択された。女性への差別を定義して、家族関係など私的領域や、政治的、社会的、経済的なあらゆる分野で差別を撤廃する措置を取るように求めている。現在189カ国が締約している。

 日本は85年に批准した。当初、政府は批准に消極的だったが、女性団体の運動もあり、署名に至った。条約の批准のために85年、男女雇用機会均等法が制定された。

 Q 審査の仕組みは?

 A 委員会の作業部会は、締約国についての懸案をもとに質問のリストをつくり、それぞれの政府がリストに基づいて報告する。NGOからの情報提供や、政府への対面の審査を経て、勧告を含む最終所見が出される。日本への審査は直近では2016年に行われた。

 Q 日本へは今までどんな勧告があった?

 A 育児休業制度の導入や間…

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