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演説をする岸田文雄・自民党総裁(当時)と広瀬めぐみ氏=2022年6月、岩手県北上市
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 詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ前参院議員(58)=自民党離党=の一件からは、政治家の擁立過程のみならず、社会のあり方についての「歪(いびつ)さ」が見えてくる。山形県遊佐町長の松永裕美氏、元岩手県宮古市議の熊坂伸子氏、元放送記者で関西学院大特別客員教授の小西美穂氏の女性3人に、背景に潜むものを聞いてみた。27日に衆院選、参院岩手補選の投開票がある。

性別で人はわからない 松永裕美さん(山形県遊佐町長)

 私は広瀬さんと同い年だが、経歴はだいぶ違う。

 染物屋の娘として、仕事で忙しい母の代わりに弟妹の世話をする、今で言うヤングケアラーだった。当時の地方の女性は高校や短大を出て地元の事業所に就職し、2、3年で結婚するのがスタンダードだった。

 4年制大学なんて冗談じゃない、という父の圧で東京の短大に進んだ。就職の面接を受けると、自宅通いではない地方出身者はなかなか採用してくれなかった。

 それでも何とか就職したが、結婚、出産で退職を余儀なくされた。33歳の時に実家の母が難病になり、介護のために子2人を連れて帰郷。離婚も経験した。ずっと、時代に裏切られ続けてきた気がする。

 しかし、48歳になって、周…

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