第72回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)中学生の部、高校の部が10月19日から2日間、宇都宮市文化会館で開かれる。今年初めて「吹奏楽の甲子園」となるホールの横顔を紹介する。
宇都宮市文化会館、通称「宇文」は1980年、宇都宮刑務所の跡地に建てられた多目的ホールで、地上4階、地下1階の建物に、大小二つのホール、展示室、練習室、会議室、和室、プレイガイドなどを備えている。
約1年半に及ぶ改修工事を経て、2017年4月にリニューアルオープンした。
響きは
建物に入ると、地元産の大谷石が壁一面につかわれたロビーがあり、会場となる大ホールなどに続く大階段には光の柱のようなシャンデリアが輝く。
大ホールは、改修を経て残響(空席時)が1.6秒から2.2秒にのび、音楽ホール並みの音響になった。
利用者から「音響をよくしてほしい」という声があったことに加え、オーケストラや吹奏楽の公演が多かった。そのため、改修を機に、天井や床、いすなどを、響きを重視したものに取り換えたという。
地元の吹奏楽関係者は「とても素直で、心地よい響きです。予習をしたり、対策を立てたりしなくても大丈夫」と口をそろえる。
トラック2台の搬入・搬出が同時にできる、広い搬出口を持ち、吹奏楽コンクールの運営にはぴったりだ。
客席数は2千。長年、会場として使用された普門館(東京都杉並区、5千席)、12年から開催を引き継いだ名古屋国際会議場(名古屋市熱田区、3千席)に比べて、客席数が少ない。そのため、両日とも前半の部、後半の部を、2分割してチケットを販売。客席入れ替えを3回行う予定だ。
アクセスは
このホールの唯一の難点は、主要駅から遠いことかもしれない。
大会当日は、JR宇都宮駅西口との間で、シャトルバスが随時運行する。
このほか、JR宇都宮駅西口から最寄りの「文化会館前」や「文化会館西口」への路線バスが計3路線あり、一部の時間帯を除き、それぞれ30分に1本程度、運行している。
JR宇都宮駅からJR日光線で1駅の鶴田駅から徒歩20分、東武宇都宮駅から1駅の南宇都宮駅からは徒歩10分だ。(魚住ゆかり)