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大エジプト博物館のエントランスに立つ古代エジプトのファラオ、ラムセス2世の石像の前で話す建設責任者のアーテフ・ムフターフ氏(左)と岡浩・駐エジプト日本大使=10月16日、エジプト・カイロ近郊ギザ、其山史晃撮影

 エジプトの首都カイロ近郊ギザのピラミッド近くに建設された大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum、略称GEM)で、16日から常設展示ギャラリーの公開が始まった。今回はテストオープンという位置づけで、中東情勢の緊迫化の影響もあり、全面開館の日程は決まっていないという。

 常設展示ギャラリーには1万点以上の遺物が展示され、古代エジプトの王朝と社会の状況を追うことができる。今後、5千点以上が展示されるツタンカーメンのギャラリーや、2隻のクフ王の船(太陽の船)の公開も予定されている。

 GEMはエジプトの観光産業の中核を担う施設となることを期待され、10万点の遺物を保管する。日本は2006年から国際協力機構(JICA)を通じて総額約842億円の円借款供与による支援をしているほか、博物館の展示や運営の体制作り、ツタンカーメン王墓から発掘された木製品や壁画などの保存修復のプロジェクトで協力している。

単一文明では世界最大規模

 また、1987年に劣化した…

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