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NATO国防相会合で立ち話する中谷元・防衛相(中央右)。中央は防衛省の中嶋浩一郎・防衛審議官=2024年10月17日午後3時5分、ブリュッセル、里見稔撮影

 ブリュッセルを訪問中の中谷元・防衛相は17日、北大西洋条約機構(NATO)国防相会合に参加し、中国・ロシア、ロシア・北朝鮮の軍事的連携の拡大に「深刻な懸念」を表明した。

 日本の防衛相がNATO国防相会合に出席するのは初めて。中谷氏によると、同氏は会合で、ロシアによるウクライナの侵略をめぐり、日本やNATO加盟国など「同志国」が一層団結しウクライナ支援を安定的に継続する必要性を訴えた。中国軍機やロシア軍機による日本領空の侵犯や中国軍による台湾周辺での大規模軍事演習などにも言及。「(参加国のうち)ほぼ多くの国々から力による現状変更や威圧は許されない」との発言があったという。

 NATOはインド太平洋地域のパートナー国として位置づける日本、豪州、韓国、ニュージーランドの4カ国(IP4)を今回初めて国防相会合に招待。IP4による国防当局間会合も行われ、地域秩序の安定化に向けて引き続き連携強化することで一致した。中谷氏は会合後、記者団に「(NATO国防相会合への招待は)欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であるという認識が、多くの国で共通認識となった証左だ」と述べた。(ブリュッセル=里見稔)

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