ほんのり桃の味わい感じるビールはいかが――。椙山女学園大学(名古屋市)の学生たちが、愛知県春日井市の醸造所の協力を得て、大学オリジナルのクラフトビール(地ビール)づくりに取り組んでいる。
企画に参加しているのは、外国語学部と現代マネジメント学部で学ぶ2~4年生の有志15人。学生からは「ビールは苦いイメージがあって苦手」という意見が多く聞かれた。「自分たちが飲んでみたい味を追求したい」と7月、大学を巻き込んだプロジェクトが始動した。
学生たちは、春日井市でクラフトビールを醸造する「バタフライブルワリー」に相談。苦みを抑えた味を実現するため、協議を重ねた。その中で出てきたのが規格外の果物を使うという案だ。
県内ではさまざまな果物が栽培されているが、形が悪くて出荷できないものも多くあり、フードロスが課題になっていた。規格外の果物でビールをつくれば、フードロスの削減だけでなく、地域の活性化や地産地消にもつながると考えた。
学生たちは、豊田市猿投地区で栽培され、規格外で売れなくなった白桃とゴールデンピーチ計約30キロを入手。9月末には醸造所で、麦芽の粉砕や酵母の投入といったビールの仕込み作業を手伝った。ラベルデザインや販売計画も練り、SNSを使った広報活動にも力を入れることにした。
仕込んだ「椙山ピーチクラフトビール」のアルコール度数は6~7%。ほんのりと桃の香りが感じられる軽めで飲みやすい味わいを目指す。完成は10月下旬の予定だ。学生たちが瓶詰めし、11月2、3日に一宮市で開催されるクラフトビールのイベントへ出品する。
今後は、マーケティングや商品企画などを学ぶ現代マネジメント学部の学生が中心となり、市場調査や分析をして、第2弾の製品づくりにも生かしていく。外国語学部4年の水上愛唯さんは「どんな味になるのか楽しみ」と話している。(松永佳伸)