Smiley face
写真・図版
安田尚史・神戸大大学院教授

フレイル予防のイロハ㊤

 「フレイル」という言葉が浸透しつつあります。身体的機能や認知機能が少しずつ下がっていくことで、要支援や要介護状態の手前の段階を指します。日本老年医学会が2014年に提唱してからちょうど10年。改めて、フレイル予防について考えてみませんか。それは、自分自身の心身としっかり向き合うことでもあるようです。安田尚史・神戸大大学院教授(60)に聞きました。

  • シニアライフを明るく充実したものにするための連載「くらしのイロハ」

 ――フレイルという言葉について、教えてください

 「Frailty(フレイルティ)」という英語が語源です。以前はそのまま「虚弱」と訳していましたが、どうもニュアンスが違うということで、日本老年医学会が「フレイル」にしようと考えたのが2014年。ちょうど10年前のことです。

 ――何のためのフレイル予防ですか

 将来、要介護状態に陥らないようにするためです。その前の段階から意識しようというのが言葉を提唱した意図。その柱となるのが「適度な運動」と「栄養バランスの取れた食生活」、そして「社会との交流」の三つです。

 ――体を鍛え、栄養面に気遣うだけではだめなんですね

 そうですね。社会とのつなが…

共有