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メキシコ市の通りで2016年5月、売られている菓子類=AP

 肥満防止のため、学校からジャンクフードを一掃せよ――。メキシコ政府が21日、カロリーが高い菓子類や飲料の販売を学校内で禁止すると明らかにした。メキシコでは子どもの3分の1が太りすぎか肥満状態にあるため、ジャンクフードの摂取を防いで子どもの健康を目指すという。

 メキシコ政府によると、2023~24年にかけて行われた調査では、学校の9割超で、油分の多い菓子や食料品、砂糖入りの飲料を校内で販売していた。5~11歳の子ども570万人、12~19歳の1040万人がそれぞれ肥満状態にあるという。

 この問題に対処するため、政府は来年3月末から、カロリーの高い菓子類や飲料の販売を禁止する。ポテトチップスやコーラなどが対象になるとみられる。政府は同時に、地元産の果物や野菜の販売を促進する。地元メディアによると、規則に違反した学校の管理者には545~5450ドル(8万2千~82万円)の罰金が科され、度重なる違反の場合は学校設置の認可が取り消される。

 シェインバウム大統領は21日、「ポテトチップスを食べるより、豆のタコスを食べた方がずっといい」と述べた。

 国連児童基金(ユニセフ)によると、メキシコはラテンアメリカで最もジャンクフードの消費量が多く、未就学児の約4割はこれらの製品からカロリーを摂取している。ユニセフは「幼児期の体重過多は子どもの成長と発育に影響を与え、大人になってから2型糖尿病や心血管疾患などの病気になる可能性を高める」と警鐘を鳴らしている。(サンパウロ=軽部理人)

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