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取材に応じるデレク・ミッチェル元駐ミャンマー大使=ワシントン、清宮涼撮影

 米国は大統領選後、どのような外交を進めるのか。共和党候補のトランプ前大統領(78)については1期目からの類推が可能だが、民主党候補のハリス副大統領(60)が当選した場合はどうなるのか。米国の対アジア政策に長く携わったデレク・ミッチェル元駐ミャンマー大使に聞いた。

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 ミッチェル氏は民主党関係者から、ハリス氏の外交政策について助言を求められたこともあるという。ハリス氏が8月の民主党全国大会で「同盟強化」に言及したことに注目する。「米国のリーダーシップの強さを肯定したことは、人々を安心させた」と評価した。

 同盟強化はバイデン大統領(81)を引き継ぐ方向だが、違いも出てきそうだ。バイデン氏はロシアや中国に対抗するため「民主主義対専制主義」の対立を掲げ、20年の大統領選で選挙公約としていた「民主主義サミット」も開催した。世界を二分するような手法には批判も根強く、ミッチェル氏は「ハリス政権下では継続されないだろう。より友好国に受け入れられやすい形に修正することを望む」と述べた。

中国への対応は

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