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米の盗難被害があった冷蔵庫の前で、当時の様子を説明する岡田さん=2024年10月4日午後3時23分、奈良県山添村助命、周毅愷撮影
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 「倉庫のシャッターに穴が開いているけど、何かしたか」。9月12日の朝、奈良県山添村の農業、岡田修さん(74)は長男からの電話で目を覚ました。身に覚えがない。慌てて倉庫へ向かうと、シャッターにくりぬかれたような三つの穴があった。

 倉庫内の冷蔵庫には、2日前に収穫を終えた米を保管していた。「やられた」

 30キロサイズの100袋のうち40袋がない。計1・2トン。すし屋や弁当屋などの契約先に届けるための米だった。

 今夏、各地のスーパーから米が消え、新米も値上がりした「令和の米騒動」。米が盗まれるなんて、これまで周辺の農家では聞いたことがなかった。

 「JAも大手の米屋も、農家からしか仕入れないはず。インターネットで直接お米を売る連中だと思う」と岡田さん。地元の警察署にも被害を届けたが、犯人が逮捕されたとの連絡は来ていない。

 倉庫の入り口付近にあった照明は、台風の時に壊れたままだった。被害を受け、人を感知すると点灯するセンサー付きの照明に付け替えた。防犯カメラも設置した。

 冷蔵庫の前には、計約1トン分の肥料袋が積みあげられている。扉を開けるたびにフォークリフトで動かし、「自衛」しているという。(周毅愷)

「収穫量が少なく…」 同業者の供述

 京野菜として有名な「九条ね…

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