Pakistan Seemed Close to Beating Polio. Now It’s Spreading Quickly
パキスタンは2年前、ポリオ撲滅まであと一歩のところに迫ったかのように見えた。この国は世界でポリオウイルスの自然感染が依然として確認されている2カ国のうちの一つだが、2021年から1年余りという、これまでで最も長い期間、新規感染者は報告されていなかった。
しかし、それ以降、ポリオは再び猛威をふるうようになった。従来の感染地域だけでなく、これまでポリオとはほとんど無縁だった地域にまで感染が広がっている。
パキスタンの保健当局は9月上旬、首都イスラマバードで16年ぶりにポリオ患者が確認されたと報告した。同月には、ペシャワルや最大の都市カラチなどいくつかの主要都市で行われたモニタリング調査で、下水からポリオウイルスが検出された。カラチでは何百万人もの人々が不衛生なスラム街に密集して生活している。
かつてポリオ感染の中心地とされたのは北西部カイバル・パクトゥンクワ州だったが、ウイルスはそこから何百マイルも離れた南西部バルチスタン州に広がり、いまや不安定な乾燥地域が流行の中心になりつつある。
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
国際社会の努力によって、ポリオの世界的な根絶まであと少しのところまできています。しかし最近、パキスタンなど一部の地域で再流行のきざしが。住民らへのワクチン接種が遅れているのはなぜか、現状と課題をNYTが報じています。
パキスタン政府は9月、5歳…