Smiley face
写真・図版
コロンビアのカリで開かれた、生物多様性条約締約国会議(COP16)の会場に設置してあるモニュメント=豊島亮さん提供
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 国際自然保護連合(IUCN、本部スイス)は29日、絶滅の恐れがある野生生物をまとめた「レッドリスト」の最新版を公表する。コロンビア・カリで開催中の生物多様性条約締約国会議(COP16)に合わせて改訂した。シギの仲間「キリアイ」などが新たに絶滅危惧種になった。

  • 生物多様性COP16が開幕 DNA配列情報の扱い、議論は難航も

 最新版のリストでは、評価対象の約16万6千種のうち、約4万6千種が絶滅の危機に瀕(ひん)しているとされた。

 シベリア北東部で繁殖し、日本にも訪れる渡り鳥のキリアイは、これまで「軽度懸念(LC)」とされてきたが、今回、絶滅危惧種として3番目に深刻な「危急(VU)」と評価された。個体数が過去3世代(13年)で30%以上減ったと推定されているためだ。

 繁殖地、渡りの中継地、越冬地で沿岸域が開発されたり、侵略的外来種の植物がはびこったりすることによる干潟の劣化などが脅威となっている。2月に公表された、「移動性野生動物種の保全に関する条約(ボン条約)」の報告書では、同条約の付属書掲載種の22%が絶滅の危機に瀕しているとされる。

 太平洋のサンゴ礁の海底にすむ貝「オオシャコガイ」も、「危急」から野生絶滅の一歩手前の「深刻な危機(CR)」となった。人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」にも登場する殻の長さが1メートルを超える「世界最大の貝」だ。殻や肉のための乱獲が問題になってきた。

 2017年に新種として発表された、日本や韓国の海にすむタツノオトシゴの仲間「ヒメタツ」は初めて評価され「危急」とされた。埋め立てや海の汚染などによってすみかのアマモや海藻が生えた場所が減っているという。

 ヒメタツは有機水銀による汚…

共有