日本伝統工芸展で、日本工芸会総裁賞を受賞した原智さんの「鐵地象嵌(てつじぞうがん)花器」を鑑賞する秋篠宮家の次女佳子さま=2024年9月11日午前9時1分、東京都中央区、嶋田達也撮影 能登半島地震で、国の重要無形文化財「輪島塗」の多くの職人が被災し、10カ月が過ぎようとするいまも厳しい環境にある。重要無形文化財保持者(人間国宝)の職人、前史雄さん(84)は「継承する人がいる限り輪島塗はなくならない」という思いで、少しずつ活動を再開させている。 石川県輪島市の輪島朝市通りそばに自宅兼工房があった前さんは、地震当日、「津波が来る」と聞き、避難所まで走ったという。 その夜、避難所の窓から見え…