トップ目で迎えたオーラスに、どう試合を終わらせるか。麻雀(マージャン)をしていて難しい選択に迫られる場面の一つだ。
10月7日の第1試合南4局、トップ目で親番のアベマズ・白鳥翔はテンパイしてもリーチせず、ビースト・中田花奈から出たアガリ牌(はい)を見逃したが、最後には自分で引いた牌でツモアガった。
いくつもあった選択に対し、元Mリーガーの朝倉康心プロは「状況に沿った最善の判断をしていた。点数状況に敏感で、周りの速度感を観察しながら、条件を整理する繊細さ。白鳥さんの持ち味が存分に出た一局だった」と振り返る。
牌図は風林火山・二階堂亜樹、サクラナイツ・岡田紗佳、ビースト・中田、アベマズ・白鳥による10月7日の第1試合南4局12巡目。
トップ目でオーラスを迎えた白鳥は、2着目の岡田に満貫をアガられると追いつかれる点差。この局はアガリに向かってまっすぐ手を進めている。
「ここまでまっすぐに進めたのは意外。白鳥さん目線で点数状況をみると、3着目の亜樹さんとは2万点以上離れているので、岡田さん以外のアガリは大体トップが確定する。さらに誰にも満貫は放銃できなくて、配牌がめちゃくちゃ良いわけでもない」と朝倉プロ。
それでもアガリを目指した理由を朝倉プロは、「亜樹さんと中田さんは端っこの牌を切った後に役牌を切っている。役が見えていてアガリが早い時は先に役牌が切られたり、中張牌(チュンチャンパイ)(2~8の数牌)の余り出しが早かったりするが、そうではないので、すぐにリーチが来ることはなさそう。満貫くらいが逆転条件の岡田さんは役牌から切っていて、リーチ手順で満貫を目指す手が入っていそう。速度は全然分からないけど、トップを目指して前に進んでいる感じ。岡田さんがまっすぐアガリに来ているから、先にアガってつぶさないと危険だなとまっすぐ進めた」とみる。
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7巡目にネックになっていた…