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熊本の地下水を研究し、伝える活動をする東海大学名誉教授の市川勉さん=6月、熊本県大津町、渡辺淳基撮影

 熊本県菊陽町に進出した台湾積体電路製造(TSMC)が今年2月、第1工場と第2工場を合わせた地下水の取水計画を県に提出した。添付された表によると、二つの工場がフル稼働するとみられる2028年度の取水量は最大で年803万トンに達する。

 予期してはいたものの、県や町の担当者は改めてその規模に驚かされた。菊陽町で農業や工業、水道などに使われる総取水量の8割に相当する量だったからだ。

 熊本市など11市町村からなる熊本地域全体では、約250の立地企業が使う地下水量全体(年2343万トン)の3分の1にあたる。

 ほぼ「町一つ分」もの水が、なぜ必要なのか。

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