太平洋に面した土佐湾に通い、クジラを30年以上撮影し続けてきた高知市の中西和夫さん(64)が、写真絵本「土佐湾のカツオクジラ」を出版した。「四国の海で生活するクジラを知る機会になれば」と話している。
クジラとの出会いは1991年、高知市役所に勤務していた30歳の時。国内で始まったばかりのホエールウォッチングに参加し、東京・小笠原諸島でザトウクジラを、高知・室戸沖でマッコウクジラを目にした。「ダイナックなジャンプに勢いのあるブロー(潮吹き)が魅力的だった」
その後、高知県大方町(現・黒潮町)でもホエールウォッチングが始まった。「地元の海でクジラが見られるとは衝撃だった」。いつか、みんなの目を引くベストショットを撮りたい。そんな思いを抱きながら一眼レフを手に土佐湾に通ううち、クジラがアイドル的存在になった。
ただ、土佐湾のクジラは、被写体としては写真家泣かせだ。ジャンプが小さく、ブローも目立たない。群れずに1頭で静かに泳ぐだけなので絵になりにくい。
撮りためた写真は30万枚
「地元の私が撮影しないで誰…