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握手する秋葉剛男・国家安全保障局長(左)と中国の王毅外相=4日、北京市内、国家安全保障局提供

 中国を訪問している国家安全保障局(NSS)の秋葉剛男局長は4日、北京で王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相と会談した。「戦略的互恵関係」の推進で一致したほか、今月中旬に調整されている日中首脳会談について協議したとみられる。北朝鮮兵のロシア派遣などロ朝間の協力に対し「深刻な懸念」を伝えたという。

 会談は予定を超える4時間半にわたった。会談後に記者団の取材に応じた秋葉氏によると、「建設的かつ安定的な両国関係を構築するという大きな方向性を共有していることを確認した」という。また、15~16日に南米ペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、石破茂首相と習近平(シーチンピン)国家主席による初の会談が調整されており、「今後の首脳を含めたハイレベルの意思疎通のあり方、交流のあり方について突っ込んだやり取りを行った」と説明した。

 東京電力福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物禁輸措置の早期の撤廃についても協議した。会談が実現すれば議題になるとみられ、「輸入再開に向けた具体的な道筋の検討を進めるよう求めた」としている。

 広東省深圳市で日本人学校の児童が襲われ亡くなった事件では、「懸念を伝えた」という。犯行の動機などについての説明があったかどうかは明らかにしなかった。

 また、北朝鮮兵のロシア派遣などロ朝間の協力についても意見を交わした。秋葉氏は10月下旬に米ワシントンで米韓の安保当局高官と会談し、派遣に「重大な懸念」を表明している。北朝鮮の後ろ盾となっている中国に対し、日本としても「深刻な懸念」を伝えたという。「国際情勢で何かあれば電話連絡をとることで一致した」と述べた。

 中国外務省によると、王氏は「台湾問題について政治的な約束を守るべきだ」として日本側を牽制(けんせい)。国際情勢については「公正と公平を主張し続け、地域の戦争と混乱を防ぐ」と強調した。(北京=井上亮)

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