Smiley face
写真・図版
優勝を決め、ベンチから飛び出す横浜の選手=2024年11月4日、保土ケ谷、中嶋周平撮影
  • 写真・図版

 第77回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催)は4日、保土ケ谷球場で決勝があった。横浜(神奈川1位)が健大高崎(群馬1位)に延長タイブレークの末に4―3でサヨナラ勝ちし、17年ぶり4度目の優勝を果たした。横浜は東京・明治神宮野球場で20日から行われる明治神宮大会(高校の部)に、関東地区代表として出場する。

 (4日、秋季関東大会決勝 横浜4―3健大高崎)

 延長にもつれこんだ十回表。マウンドに立つのは横浜のエース奥村頼人(2年)。2死満塁とし、次打者を投ゴロに打ち取ると、笑顔で左手を突き上げた。「なるべく感情を出さないようにしていたんですけど、(この回を)0点で抑えられてちょっと出てしまいました」

 3日の準決勝で先発登板したが、2回2失点でマウンドを降り、左翼手に回った。奥村の頭には試合の後に監督から言われた言葉が残っていた。「背番号1が、マウンドで輝いていなくていいのか」

 この日、決勝で左翼を守りながら六回裏には適時打を放った。それでも「最後は自分がマウンドに立って抑えるんだ」と思い続けた。

 同点に追いついた直後の八回からマウンドに立ち、3回無失点と、監督の激励に応える好投を見せた。チームは十回裏、奥村凌大(2年)の適時打でサヨナラ勝ちを決め、選手らはベンチから飛び出して大きな声で喜びあった。

 横浜では、速球派右腕・織田翔希(1年)の成長が著しい。準々決勝では完封勝利を挙げ、この日も先発投手として試合をつくった。織田が注目を集めていることに対し、「チームが勝つことが優先」としつつも、「『織田、織田』と言われて悔しいところもあった」と本音をのぞかせた。

 「織田の持ち味は球速だが、自分の持ち味は球速以外のところ」。磨いた緩急やコントロールを武器に、エースとしてマウンドに立ち続けると誓った。(中嶋周平)

共有