約70万人の公立小中学校教員の給与をめぐり、政府内で二つの変更案が示される見通しとなった。文部科学省と財務省の案は、どう違い、何をめざしているのか。そもそも、なぜ教員には残業代が支払われていないのか。
教員の給与はいま、残業代を出さない代わりに「教職調整額」と呼ばれる上乗せ分を一律支給する仕組みとなっている。「基本給の4%」という上乗せ分とあわせて、1972年施行の教員給与特措法(給特法)で決まっている。
この仕組みを変えようと、文科省は8月、2024年度途中から調整額を「13%」とするように予算要求した。加えて、7千人超の教員増のための費用も求めた。
一体改革を求めた中教審答申
要求のもとになったのは、中…