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 トンカツのさくっとした歯ごたえに欠かせないのが、揚げ油。植物油の原料のほとんどを輸入に頼っています。生産や価格の背景を探りました。

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スーパーではさまざまな植物油が手に入る

値動き大きい食用油

 食用油の価格はこの数年でどう変わったのか。

 総務省の消費者物価指数(2020年=100)を見ると、21年半ばごろから上がりはじめ、22年終わりから23年の中頃にかけて160台に。その後は下がっているが、9月の指数は144.3。食料全体と比べると変動が大きいことがわかる=グラフ。

 スーパーで目にする食用油から業務用に使われる油まで、植物油はさまざまな原料からできている。菜種油や大豆油は種子から作られ、油を搾ったあとの油かす(ミール)も、家畜の飼料などとして販売される。マーガリンなどに使われるパーム油は、アブラヤシの果肉から作られる。

 日本で流通する植物油のほとんどは、原料となる種子を輸入して国内で製造したり、油の状態で輸入して国内で精製したりしている。

 農林水産省によると、23年の植物油の国内供給量は約252万トン。菜種油、パーム油、大豆油でおよそ8割を占める。国産原料で製造されるのは国内供給量全体のわずか3%で、ほとんどが米ぬかから作られる米油だ。

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菜種(左)を砕いてすりつぶし、圧力をかけて油をしぼる。日清オイリオ横浜磯子事業場では製造工程を説明している

コスト左右する複合的要因とは

 原料を海外に頼るため、生産コストは海外の需給動向に影響を受けやすい。

 植物油製造大手の日清オイリ…

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