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映画「ルート29」のワンシーン=©2024「ルート29」製作委員会
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 鳥取県若桜町出身の詩人中尾太一さん(46)の詩集を原作にした映画「ルート29」が、8日に全国公開される。山陰と山陽をつなぐ幹線・国道29号を舞台にしたロードムービー(旅物語)で、鳥取市など鳥取県内の多くの場所がロケ地になった。

 この作品では、綾瀬はるかさん演じる主人公のり子が、風変わりな女の子ハル(大沢一菜(かな)さん)を連れて姫路(兵庫県)から鳥取まで国道29号沿いに旅をする。それまで他者と関わりを持とうとしなかったのり子だったが、ハルとの絆を深め、さまざまな人との出会いで心境が変わり始める。

 監督・脚本は大沢さん主演の「こちらあみ子」で日本映画製作者協会主催の「新藤兼人賞」で2022年度の金賞を受けた森井勇佑(ゆうすけ)さん(38)。今回の作品は6日まで開催された東京国際映画祭の上映作品に選ばれた。

 中尾さんと森井監督は10月上旬、作品PRなどで鳥取県庁を訪れて平井伸治知事と懇談。森井監督は原作「ルート29、解放」を読んで映画になると直感したと振り返った。説明的なせりふが少なく、印象深いカットが多い今作について、「絵本のように作りたかった」などと語った。

 2人はそろって取材にも応じた。森井監督によると、撮影はのり子とハルの旅をなぞるようにほぼ同じ順で進めたという。鳥取、兵庫の県境を貫く新戸倉トンネルの一帯では「生まれる前と死んだ後が混ざったような霊的な雰囲気を感じた」と語った。

 こちらあみ子を見て森井監督…

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