大阪大のグループがヒトのiPS細胞からつくった目の角膜細胞を移植する臨床研究の評価をまとめ、英医学誌ランセットに発表した。がん化や拒絶反応など重大な安全性の問題はなく、4人の患者で矯正視力の改善などが確認できたという。
対象は、角膜の幹細胞がなくなり、角膜が濁り、視力が落ち失明することもある「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者。
グループは2019~22年、他人のiPS細胞を角膜の細胞に分化させシート上にして4人の患者に移植し、経過を観察した。角膜の濁りなどが減り、矯正視力は術前と1年後で、0・03→0・3、0・01→0・15、0・15→0・7、0・02→0・04と改善した。
2人は免疫抑制剤を使用、2人は使用しなかった。使用しなかった人に検査ではとらえられないレベルの慢性的な拒絶反応が起こっていた可能性があるという。
まだ移植した患者の数が少な…