茨城県つくば市の五十嵐立青市長は12日、自身の2期目の退職金の金額を決めるインターネット投票の結果を公表した。市民による評価の平均は62・7点。この結果を反映した1278万7038円が支給される。
投票期間は1~11日。投票可能なマイナンバーカードを持つ15歳以上の市民約13万人のうち1048人が市のアプリ「つくスマ」を通じて投票した。
アプリの利用者は約2万人で、このうちの約5%が投票した計算になる。先進地とされるエストニアでの最初のネット投票の投票率が1・9%だったことから、「この数字は超えたかった」と語り、「選挙以外でも、市民が政治家を評価する機会をつくることができた」と振り返った。
市長選のネット投票も国に提案
五十嵐市長は今年10月の市長・市議選へのネット投票導入を国に提案していたが、総務省と折り合わず断念。今回のネット投票は、選挙で使う予定だったシステムを転用して実施した。
市民からは、マイナンバーカードの暗証番号忘れや「つくスマ」のダウンロードなどの手間を指摘する声が寄せられた一方、「個別の政策ごとに意見を募集すべきでは」「毎年実施しては」などの肯定的な意見もあったという。
五十嵐市長は、技術的な課題も認識しながら、「今年度中に別の切り口で(ネット投票を)再び実施したい」と話した。
五十嵐市長は先月の市長選で3選を果たしている。(鹿野幹男)