医療費の患者負担に月ごとの限度額を設けた「高額療養費制度」について、厚生労働省は、負担の上限を引き上げる検討に入った。2025年夏に上限を引き上げたうえ、26年夏に所得に応じた区分を細分化する2段階の実施案が有力だ。低所得層への配慮も検討する。近く本格的な議論を始める。
高額療養費制度は、大きな手術などで支払いが膨らんだ際、所得などに応じて一定額に抑えられる仕組み。公的医療保険の「セーフティーネット」機能とされている。
引き上げ対象は、負担額の計算式に使う基礎的な金額。見直しにより支払い額が増える。医療費が膨らむ中、世代を問わず支払い能力に応じた「応能負担」を強める。公的医療保険制度を維持し、現役世代の保険料負担を軽減するねらいだ。
厚労省は、現行制度への見直しを行った15年当時と比べ、世帯主の収入が7%程度増えていることなどに着目し、案を検討している。
70歳未満は、負担限度額を…