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小松理虔さん
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 2011年、3基の原子炉がメルトダウン(炉心溶融)した東京電力福島第一原発で、溶けた核燃料(燃料デブリ)の取り出しがようやく始まった。福島の人々は廃炉作業をどんな思いで見守っているのか。福島の外に住む人にできることは。福島県いわき市を拠点とする地域活動家の小松理虔さんに話を聞いた。

「廃炉」を定義しない 国や東電のずるさ

 0・7グラムの試験的なデブリ取り出しを大きな一歩だと信じたい一方、880トンとされる全体からみると、どれだけの意味があるのかとも思います。両者の間を行ったり来たりして、引き裂かれるような感覚です。

 原発事故を経験した僕にとって、国と東電が廃炉を完了させるとしている2051年は大事な年です。自分や子どもの年齢、地域の姿を想像し、少なくともそこまでは頑張って生きて、原発事故の終わりを見届けたいと思ってきました。

 多くの福島県民は、イチエフ…

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