架空の業務委託契約で知人の会社に計約4千万円の資金を不正に送金し、役員を務める会社2社に損害を与えたとして、東京地検特捜部は18日、投資ファンド運営会社「IDIインフラストラクチャーズ」（東京）の元代表取締役・埼玉浩史容疑者（61）を会社法違反（特別背任）と背任の罪で起訴し、発表した。
発表などによると、埼玉容疑者は2018年6月と19年11月、部下らと共謀して、IDI社や自身が取締役を務めていた外国法人を通じて計約4160万相当（一部はドル）を知人が経営する会社に送金した。名目はいずれも業務委託費だが架空とみられ、IDI社と外国法人に損害を与えたとされる。
07年に設立されたIDI社は、再生可能エネルギー分野への投資に主としたファンドを運営する。一連の問題は20年に内部通報で発覚し、埼玉容疑者は同年10月にIDI社の代表取締役を解任された。
