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「狼煙のみんなの家」の立体模型ができ、住民が建築家らから説明を受けた=2024年11月12日午後3時31分、石川県珠洲市狼煙町、上田真由美撮影
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 能登半島の被災地に、被災者が思い描くまちの拠点となる集会所「みんなの家」ができる。世界的な建築家、伊東豊雄さんが理事長を務めるNPO法人「HOME-FOR-ALL」が18日、石川県珠洲市、輪島市、能登町の6カ所で計画を進めていると発表した。珠洲市狼煙町(のろしまち)では日本財団の助成が決まり、来春にもオープンする。

 「みんなの家」は、2011年の東日本大震災をきっかけに、建築家たちが住民と対話しながら集会所をつくるプロジェクトとして始まった。東日本大震災では宮城、岩手、福島の3県に計16棟を建設。熊本県では、12年の広域水害や16年の熊本地震、20年の豪雨災害などで仮設住宅の集会所も含めて計130棟以上ができたという。

 HOME-FOR-ALLは、能登半島地震の被災地で、インフラも十分に復旧しない中、各地の集落で住民自ら復興ビジョンを話し合ったり、防災機能を備えた集会所づくりを模索したりする動きがあることに着目。地元有志による団体が運営する形での「みんなの家」建築を目指している。太陽光発電や薪の利用といった災害に強い持続可能な建築、被災建物から回収した能登瓦の再利用など能登の文化の継承も掲げる。

 集会所が被災した珠洲市狼煙町では、道の駅狼煙の隣に平屋建ての集会所を計画。リサイクルした黒い能登瓦の屋根に太陽光パネルをとりつけ、下見板張りの外壁を持たせるという。計画段階から住民たちが意見を出し合い、週末には食堂や居酒屋を開けるような設備を予定している。運営は、震災前から地域のまちづくりに取り組んできたNPO法人「奥能登日置らい」が担う。

 同法人理事長で、区長も務め…

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