ファイナー米大統領副補佐官は18日、北朝鮮兵のロシア派遣を念頭に、ロシアが「外国軍の展開」によって緊張を拡大させていると非難した。「米国は戦況に基づき政策を決定する」と述べ、北朝鮮兵の派遣を踏まえて対応を検討してきたことも示唆した。
バイデン大統領が主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)のために訪問しているブラジル・リオデジャネイロで記者団に語った。バイデン氏が、ウクライナに提供した射程約300キロの地対地ミサイル「ATACMS(アタクムス)」でロシア国内を攻撃することを許可した、との米紙ニューヨーク・タイムズなどの報道については、ファイナー氏は「確認できない」とした。そのうえで、「状況が変われば、我々もウクライナが領土と主権を守れるよう(政策を)変更する」と語った。米側の具体的な対応には「運用上の理由」から言及できないとした。
バイデン氏はこれまでロシアとの対立が深まることを恐れ、ウクライナによるロシア国内への長距離攻撃を認めていなかった。北朝鮮兵1万人以上がロシア入りし、同国南西部クルスク州での戦いに一部が加わったことを受け、長距離攻撃の容認に踏み切ったとみられている。(リオデジャネイロ=清宮涼)