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飼育中のイイダコ=高松市屋島東町の香川県水産試験場、増田洋一撮影
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 丸ごと煮込んでおでんにしたり、里芋とあわせて煮物で味わったり。頭から丸かじりできるイイダコは、香川県の郷土料理に欠かせない。その完全養殖に、県水産試験場が世界で初めて成功したという。快挙の現場を訪ねた。

 イイダコは体長5~20センチほどの小型のタコ。産卵期前になるとメスの胴に長円形の卵が詰まり、米粒のように見えることから「イイ(飯)ダコ」と呼ばれる。

 特産地の一つが岡山県と香川県の間の備讃瀬戸。だが、2002年には約200トンあった香川の漁獲量は、近年では100分の1の約2トンまで減っている。

 そんなイイダコの完全養殖とは、試験場で生まれた赤ちゃんイイダコを大人になるまで育てて卵を産ませ、その卵がかえって赤ちゃんになるサイクルのことだ。

 案内してくれた増養殖研究課長の中山博志さん(51)は「きっかけは好奇心でした」と話した。

実用化すれば食卓が変わる

 試験場はイイダコの数量を回…

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