詩人の谷川俊太郎さんが手がけた校歌の歌詞のうち、青森県立弘前中央高校には二つの作品が残っている。一つは、前身の女子校時代に歌われた旧校歌。もう一つは、男女共学となってから愛唱されている現在の校歌だ。旧校歌の歌詞ではふるさとの情景をたたえ、現校歌ではより普遍的な広がりを持たせている。
旧校歌は1968年につくられた。同校の「八十年史」によると、それまでの校歌の歌詞が「戦後の教育事情に適応しなくなった」として、新しい校歌を制定することに。当時の校長が谷川さんに、歌詞について「郷土色、叙情性、前進の意欲」を盛り込み、「覚えやすく、親しみやすく」と依頼した。
校舎は、桜の名所として名高い弘前公園の外堀に面している。谷川さんは学校の情景に、青春のきらめきを重ね、「津軽野に桜咲く」「夢みる未来」などと作詞した。
現校歌は、高校の男女共学化…