大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(30)は今季、前人未到の年間54本塁打59盗塁を達成するなどしてナショナル・リーグ最優秀選手(MVP)の受賞が確実視されています。エンゼルスからの移籍1年目は、米国にどのような影響を与えたのでしょうか。米ニューヨーク州のマンハッタンビル大でスポーツの研究をしているセス・タネンバウム助教授に話を聞きました。
――チームのワールドシリーズ制覇に貢献しました
「ヤンキース―ドジャース」という最も知名度が高い球団同士の組み合わせのなか、ワールドシリーズの「顔」の1人として扱われました。大谷選手が持つ米球界への影響力はさらに上がったとみています。
――人気球団への移籍の効果は感じますか
感じます。しかも自身初めてプレーオフに出場し、活躍しました。より多くの人に知られる存在になったと思います。
エンゼルスをライバル視する球団は特にないので、昨年までアンチファンはほとんどいなかったと思いますが、今年は一定数増えた可能性があります。ドジャースと伝統的にライバル関係にある同じナ・リーグ西地区のジャイアンツ、地区シリーズでも対戦した同地区のパドレスのファンは特に考えられます。
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――昨オフに結んだ10年総額7億ドル(約1078億円)の契約にも賛否の声が聞かれます
そうですね。彼の契約ではほとんど(約97%)が後払いです。チームの総年俸を軽くするやり方は、特にライバル球団のファンの間では「一種の不正行為」と感じる人も少なくないと思います。
ただ、彼自身が望んだとはいえ、全てを大谷選手のせいだとは思うファンばかりではないでしょう。ドジャースや承認したコミッショナー事務局を非難する人もいます。
――「一種の不正行為」とは…