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さまざまな抗菌薬。必要がないのに処方されるケースも少なくない

 細菌をやっつける抗菌薬(抗生物質)は、ウイルス感染が原因となる一般的な風邪の患者に処方しても効果がないうえ、本来効くはずだった薬が効かなくなる「薬物耐性」を、細菌につけてしまいやすい。そんな「不適切な処方」をしがちなのはどんな診療所か。

 東京大医学系研究科の宮脇敦士・特任講師(医療政策学)らが診療所のデータベースを用いて調べ、米医学誌で報告した。

 活用したのは、国内数千カ所の診療所にいる医師の年齢や性別などの情報と、受診した外来患者への診断や処方に関する情報を合わせた「JAMDAS」というデータベースで、企業が運営している。

 このうち、2022年10月から23年9月にかけて、非細菌性の急性呼吸器感染症、いわゆる風邪と診断された18~99歳の患者に関するデータを分析した。細菌が原因となり得る中耳炎などのケースは除外した。

98万人の受診事例で分析

 対象となったのは、約1200の診療所を受診した約97万8千人(平均年齢49.7歳、女性56.9%)の事例。本来は必要でないはずの抗菌薬処方が、17.5%にあたる約17万1500例あった。

 分析の結果、抗菌薬が処方さ…

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