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井戸を掘る伝統技術「上総掘り」のやぐらが建てられた=2024年10月26日、千葉県木更津市真里谷のブルーベリー園「のらりくらり」、堤恭太撮影

 水道管が届かない、障害者が汗を流す果樹園に、上総地方(千葉県)に伝わる井戸掘りの技術「上総掘り」を使って水を供給しようという試みが、同県木更津市真里谷(まりやつ)で始まった。電力などを使わない手法で、アフリカなどでは今も使われている技術だが、国内では学習や展示用がほとんどで実用のために活用されるのは珍しい。

 NPO法人「一粒舎」が運営する「ブルーベリー園のらりくらり」は、里山の中にある。

 18歳以上の障害者の自立支援と社会参加の促進を図るため、荒れた耕作放棄地を整備して2009年にオープンした。

 ここで取れたブルーベリーを使ったクロワッサンサンドが人気だ。そのため、のらりくらりの場合、県内の同じ就労継続支援B型事業所の平均工賃(月額)より、3倍以上の工賃を作業所員である障害者に支払うことができるようになったという。

 園では、さらに利益を上げて、より高い工賃を払おうと、農園にカフェやバーベキュー施設、ドッグランなどを併設しようと考えた。

 しかし、残念ながら水道がなかった。水道管を引こうにも、斜面がきついことなどが壁になった。そんな中でたどり着いたのが、上総掘りだった。

みんなの協力で軌道に乗った

 地元の人で、技術の伝承者の…

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