10月の衆院選をめぐり、北海道警は28日、選挙違反の取り締まり状況を公表した。26日までに2事件4人を書類送検したという。
1件は、公職選挙法違反(買収約束)事件。十勝管内の60代の男とその知人の女2人の計3人を、特定の候補者への投票依頼の電話をかける見返りに報酬の支払いを約束し、了承した疑いで釧路地検に書類送検した。認否は明らかにしていない。道警は候補者本人の関与は無かったとみている。
- 衆院選から1カ月 40事件で60人を摘発、自由妨害や買収など
捜査関係者によると、男は大樹町の元町議。道11区に立候補し、落選した自民・中川郁子氏を支持していた。知人2人に、複数の人へ投票依頼をする「電話作戦」を依頼したという。書類送検する際、起訴を求める厳重処分の意見をつけた。
もう1件は、他人の投票に干渉した公選法違反(投票干渉)容疑で、札幌市豊平区の60代の男を札幌地検に書類送検した。道警によると、投票日当日の投票所で、90歳を過ぎた母親に特定の候補者に投票するよう繰り返し要求し、腕をつかんで書かせようとした疑いがある。
このほか警告を4件行った。候補者名が書かれたのぼり旗を街頭演説で立てたり、法定ビラ以外の文書を配ったりするなどの違反があったという。