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東京都に要望書を提出した「医療観察法と被害者の会」のメンバー(手前の3人)=2024年11月29日、都庁、遠藤美波撮影

 精神障害によって他人や自身を傷つける恐れがある人を警察が認知した際、保健所に知らせる「警察官通報」。医療につなげ、事件を防ぐのがねらいだが、運用実態には大きな地域差がある。改善を求めるため、こうした事件の遺族や被害者らでつくる団体が29日、東京都に要望書を出した。

 警察官通報は精神保健福祉法に基づく制度。警察官が保健所に知らせる判断材料は「異常な挙動」だ。厚生労働省が定めるガイドラインでは、保健所などの職員は通報を受けた場合、原則現場に行って対面し、医師につなげるか事前調査するよう求められている。医師は、強制的な措置入院をさせるか判断する。

 保健所職員が現場で対面した「臨場率」は昨年、都道府県の8割で80%を超え、秋田や栃木、滋賀など7県は100%だった。一方、都市圏は神奈川や大阪、兵庫が30%台と低く、東京は唯一0%だった。

■通報は全国最多「件数が膨大…

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