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「ちゃんと勉強しとる?」。丼は手渡しで提供されるという=2024年10月3日、福岡県みやこ町豊津、太田悠斗撮影
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 福岡県立育徳館高校(みやこ町)の学食に入ると、香ばしい生姜(しょうが)としょうゆの香りが、立ち上る湯気とともに鼻をくすぐった。定期テスト前に限定でメニューに加わる「スペシャル丼」が、記者に手渡された。

 250グラムの白米。一口大の鶏の唐揚げ一つとチキンカツ、100グラムほどの生姜焼きが隙間なく盛られ、その上には温泉卵。丼を乗せた両手のひらが、少し沈むような重さだ。

 卵に箸を入れると、流れ出た半熟の黄身がおかずを包んで、つやつやと光る。食べ進めて見えてきた白米には、生姜焼きのタレや黄身が染みこんでいた。

【連載】「母校 知っと~」

あの高校の伝統行事や名物はどう受け継がれている? 令和の時代の学校生活とは? 福岡県内のスクールライフの「いま」を描きます。

 スペシャル丼が提供されるのは、定期テスト前の5日間だけ。昼休みには学食の外まで長蛇の列が出来る人気ぶりだ。事前予約も受け付けており、1日約40食を我先にと、朝から駆け込んでくる生徒もいる。

 発案したのは、学食の常連だった数学教諭の永川貴章さん(46)=現・福岡県教育委員会。勉強が苦手な生徒ほど、テストの準備が遅いことが気になっていた。

 「なかなか生徒が勉強せんの…

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