アフリカ中部コンゴ民主共和国で相次ぐインフルエンザに似た謎の病気の発症をめぐり、アフリカ疾病対策センター(アフリカCDC)は9日、「疾病X」と呼び、現地当局の詳しい調査を支援すると発表した。WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスやマラリアなどの可能性があるとしている。
「疾病X」では発熱や頭痛、呼吸困難や貧血などが起きるとみられている。アフリカCDCのジャン・カセヤ事務局長は5~7日、コンゴ民主共和国を訪れ、現地当局と協議。疫学調査などによる病原体の特定を支援し、疾病への対策を強化する考えを示した。
アフリカCDCによると、「疾病X」は「重篤な疾患を引き起こし、公衆衛生に広範な影響を及ぼす可能性のある未知の病原体」を指す用語という。新たな調査支援について、カセヤ氏は声明で「我々は協力して、この新たな脅威を特定し、対処することができる」と述べた。
一方、WHOも6日、現地への調査グループの派遣を発表。疾病について調査中としたうえで、「インフルエンザや新型コロナなどの呼吸器病原体やマラリア、麻疹などが原因として考えられる」としている。